サンエコート(SUN ECOAT)の抗菌・抗ウイルス効果について 光触媒インタビュー


〜 光触媒には抗菌、脱臭、抗ウイルス等の効果が!? 〜

「安心」して利用できる病院内の空気環境作りをサポート
内藤博敬氏
内 藤 博 敬 氏
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小野洋子氏
小 野 洋 子 氏
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鶴田克彦氏
鶴 田 克 彦 氏
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■光触媒は、病院・診療所や高齢者施設、レジャー施設等で使用
司会 最近、光触媒という言葉を聞くようになってきました。内藤先生は光触媒の抗菌性について共同研究されているとのことですが、光触媒とはどのようなものか説明して頂けますでしょうか。
内藤 はい。光触媒である二酸化チタンは、太陽または蛍光灯などから照射される紫外線エネルギーを吸収した時に光触媒反応を起こし、種々の物質を強力に分解するという性質を持っています。ホルムアルデヒドや悪臭物質の分解・除去、除菌・抗菌、建築物の汚染防止、自動車の排気ガス中の窒素酸化物や硫黄酸化物が主原因となっている大気汚染の浄化に応用することができます。
司会 光触媒は「大気浄化」「浄水」「抗菌」「防汚」等の効果があるという理解でよろしいでしょうか。
内藤 はい。そうです。それらの効果については科学的に実証済みです。
司会 では、この光触媒は、どのようなところで使用されているのでしょうか。
内藤 現在は、病院・診療所や高齢者施設、レジャー施設、ホテル、レストラン、食品工場等で使用されています。最近は、一般家庭でも使用されるようになってきました。
司会 最近、「光触媒」という言葉を聞くようになってきましたが、「光触媒って何?」という人が、まだ多いのではないでしょうか。
小野 そうですね。数年前にある病院が光触媒をトイレの蛍光灯に使い始めたので、詳しく知りたいと思っていました。その後、展示会などで見て回りましたが、どのような作用があるのか、よく分かりませんでした。
鶴田 私どもの会社では欧米や日本の病院、介護施設等で清掃業務の委託を受けていますが、実際に光触媒を使用した施設を見たことがありません。しかし、実際にどのようなメリットがあって、効果があるのか興味があります。
司会 欧米では光触媒は普及していないのでしょうか。
内藤 1972年のNature誌に、光により活性化した酸化チタンによって水が電気分解される「本多・藤嶋効果」と呼ばれる現象が報告されました。この現象を基に、コーティング膜や複合材料等が開発され、水処理技術、防汚技術に応用され始めました。これが光触媒の始まりです。光触媒材料は日本発の科学技術であり、1990年代には窒素酸化物の分解浄化作用が国際的に報告されているものの、まだ欧米では普及していないのが現状です。

■院内感染のリスクを減らす、材料の一つとして期待
司会 先ほど光触媒はいろいろな場所で使用されているとのことでしたが、本誌では病院での使用について、それぞれの立場からお話をお聞きしたいと思っています。 まず、光触媒を病院で使用するメリットについて伺えますでしょうか。
内藤 一番のメリットは、病院内の空気環境の改善につながるということです。最近、某眼科で60数名もの感染者が出たというニュースがありました。これは手術で使用していた器具の殺菌や手の消毒、その他、本来、考えられないような杜撰な衛生状態から起きたと言われています。「設備」と「人」の問題ですね。しかし、院内感染の予防には、その他に“箱(施設)”の問題があります。その“箱”の問題を解決するのが“光触媒”だと考えています。
司会 今、院内感染の話がありましたが、院内感染の経路としては「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」等があるとのことですが、それぞれどのような感染なのでしょうか。それと、光触媒はどの感染に対して有効なのでしょうか。
内藤 はい。空中に浮遊する病原体が呼吸器に感染する経路を、「経気道感染」と言います。経気道感染には、空中に浮遊する病原体を吸い込んで感染する「空気感染」と、くしゃみ、咳や会話によって飛散した病原体によって感染する「飛沫感染」とがあります。呼吸器ではなく消化器に感染した場合は、「経口感染」に含まれます。また、水虫のように、接触によって感染する経路を「接触感染」と呼びます。 光触媒は、「空気感染」に有効的なだけでなく、壁や手すりなどから手指を介する「経口感染」にも有効的です。 ただし、院内に光触媒をコーティングしたからと言って、院内感染を完璧に防ぐということではありません。しかし、感染のリスクを下げることはできると思います。
小野 病院経営の観点で言えば、「投資対効果」の問題になると思います。光触媒自体が診療報酬上で評価されていないので、導入コストを上回るアウトカム(院内感染対策の成果)があることを証明しなければならないでしょう。医療保険という公定価格の枠組みにあっては、いくら良い道具・材料があっても、コストパフォーマンスが見合わない限り、採用は難しい現状があります。
内藤 光触媒は1uで1万円、一般の塗装では2、3千円くらいが相場ですから、それに比べると高いと思います。ただ、食品工場などでは食品から菌が検出されたとなると会社の存続にかかわる問題になるため、食品工場内の“菌”対策では色々なことをしています。私は、病院の場合も同じだと思っています。「コスト」を優先するか病院の「安全」を優先するかどうかということだと思います。
鶴田 欧米の病院や公共施設なんかですと、実際にどの程度の効果があるのかという、エビデンスが求められます。それで、実際に抗菌効果があり病院内の空気環境が改善されるのであれば、採用されると思います。コストより効果を採用のポイントにします。
内藤 病院内の場合ですと、受付、待合室、病室、診察室、トイレなど、それぞれの場所で、どの程度の菌があり、どの程度の抗菌効果があるか、エビデンスが必要だと思います。病院以外での抗菌データはいくらでもありますが、病院は様々な規制があり、細かなデータが取れないという現状があります。 そうしたことから私どもはまだ、病院内のエビデンスは十分だとは言えません。

■光触媒の効果は、人体に害の無い溶媒で分散・塗布する技術が必要
司会 光触媒を施工するための特別な技術はあるのでしょうか。
内藤 科学的実験をするために、いろいろな会社や多くの方に御協力頂いたのですが、品質と塗り方によって効果の違いがありました。現在、最も効果の高かった会社さん(TAMネットワーク株式会社)に御協力頂き、活性酸素に耐性を持つ菌を使って、光触媒の抗菌性の評価について研究を行っています。 光触媒の品質の優劣については、酸化チタンの粒子が均一であることと、大きさが一つのポイントでした。大きすぎても小さすぎてもダメで、理想は数十ナノレベルです。粒子は100 nm(ナノメートル)以下になると、分散・凝集をコントロールすることが難しいことが報告されています。粒子が小さくなりすぎると、溶媒の中では個々の粒子の反発力よりもくっつこうとする力が強くなって、塊になってしまいます。ナノサイズを売りにしている光触媒というのもありますが、ナノサイズになると、粒子同士がくっついて凝集します。粒子が凝集すると、塗装した時に隙間ができるので、隙間ができた所は何も働かず、殺菌もしなければゴミも落ちないということになります。粒子が大きくても隙間ができますし、小さくてもくっついて隙間ができてしまうので、光触媒の効果を得るためには、分散技術が伴わなければなりません。
小野 粒子を分散させる技術は難しそうですね。
内藤 人体に影響を与える分散剤を使えば簡単ですが、使わずに分散させるのは難しいです。塗装するためには粒子のままでは塗れないので、溶媒が必要となります。光触媒の効果は、数十ナノレベルの粒子を、人体に害の無い溶媒で分散・塗布する技術にあります。なかなか真似できるモノではありません。 粒子が分散していなければ効果は得られませんから、塗る前の液を置いておいて沈澱してしまう商品では、やはりどうしょうもないですね。また、施工時にマスクやゴーグルなどの重装備が必要な場合は、分散剤や溶媒が人体に害があるとか、粒子の大きさがバラバラでナノサイズの酸化チタンが入っていることを疑います。
司会 光触媒は、どんな素材でも効果があるのでしょうか。
内藤 基本的にはコーティングなので、外壁、内装を問わず、素材や厚みは選びません。人の視力では100 nm以下を認識できないので、塗装前の濃い状態では白く見えますが、塗装後壁面の色調に変化を与えることもありません。 光触媒の効果は、酸化チタンから発生した酸化分解力の強い活性酸素によるもので、揮発して効果を失う化学薬品等による殺菌とは原理が異なります。この作用は酸化チタン表面で起こり、空気中に放出されるわけではありません。そこで、アパタイトなどの吸着物質と混ぜたりもしますが、そもそも発生する活性酸素によって、菌や汚れを寄せ付けない・増やさないことが光触媒の効果であり、壁や床に施工する場合には吸着させる意味がありません。 下地の材質よりも、光触媒自体の良し悪し、分散・塗装技術の優劣が重要です。

■技術による効果の違いを明確にすることで、用途に合わせた選択が出来る
司会 ところで、病院内に光触媒をコーティングするとした場合、壁や床などどこの個所が効果的なのでしょうか。
内藤 そうですね、壁、床がメインになると思います。医療系のネットニュースに載っていましたが、インフルエンザ等の感染は手や顔からの感染が主原因で、手洗いやうがいが一番の感染予防だそうです。そうすると、壁や床だけでなく、不特定多数の人が触る手すりやカーテンなどに対策しないと、感染リスクが高くなります。 菌やウイルスは壁や手すりに付かずに床に落ちますから、床面で殺菌、ウイルスの不活化がされることが重要です。看護の微生物学では、白衣の裾ほどに菌が付着しているという報告があります。しゃがんだりした時に、床から白衣の裾に菌がくっついてしまい、その白衣の裾が、椅子に座っている患者さんや、ベッドに寝ている患者さんの顔の高さに近づくこともあります。それが、危険なんですよ。完全に防ぐことは難しいのですが、易感染者の多い病院では、少しでもリスクは抑えたいですよね。
小野 シーツに光触媒を活用している病院もあるようです。
鶴田 CDC(米国疾病予防管理センター)は、1991年に環境表面をノンクリティカル区域と勧告しました。床、ドアノブ、手すり等すべての環境表面は、低水準消毒及び洗浄を原則とするというガイドラインです。床の全面消毒は、残留する消毒薬に暴露される問題や病院という制約が厳しい中で全面洗浄するのは困難です。 そんなことを考えると、光触媒は効果的であるのではないかと思っています。 また、CDC2003年ガイドラインは、環境表面は「手の高頻度接触」と「手の低頻度接触」に分けられました。 前者は後者よりも頻繁に清掃する必要があるとCDCはエビデンスの統括をしました。「高頻度接触箇所」であるドアノブ、手すり等は、最低でも1日3回程度の作業が必要になります。 それにより、清掃時間が延長となるため、清掃員の給料がかさみます。それでコスト高になってしまいます。費用対効果を考えますと光触媒は非常に効果が得られると思います。
小野 トイレの場合は、菌の問題もありますが、臭い対策も悩ましい問題です。蛍光灯や天井タイル、カーテンにコーティングすると抗菌・脱臭の効果があるならば、ニーズがあると思いますが……。
内藤 光触媒そのものにも脱臭効果がないわけでもないのですが、光触媒にゼオライトという物質を入れるとさらに脱臭効果が上がります。ただ、光触媒を使うのではなく『光触媒に何をどう混ぜるか』というのが技術になります。ただ塗ればいいというわけではありません。
小野 つまり、光触媒をコーティングするだけでは、先ほどお話のあったような効果が必ず得られるわけではないのですね。
内藤 重複しますが、技術あってこその効果です。ちょっとだけ光触媒が入っていれば、光触媒コーティングしましたみたいな話が多く、実際に検証してみると、効果がないということがあるのは事実です。ナノ技術は今までの理論が通じない未知の部分が多いので、技術を確立できていない場合も多く見受けられます。
小野 一口に光触媒といっても、いろいろな技術があり、その技術によって効果も違うということが分かりました。その違いを明確にして情報提供していただけたら、病院側も用途に合わせた選択ができるのではないでしょうか。
司会 ところで、多くの会社が光触媒を施工しているようですが、光触媒選びのポイントはあるのでしょか。
内藤 あります。ひとつは、国内で光触媒に関する特許を持っている某社と「ライセンス契約を結んでいるか?」ということでしょうか。その特許使用料を払っている中で、さきほどお話ししました技術的に分散させている技術を持っているかどうかですよね。塗装する溶液の中で沈殿しないことに加え、均一に塗られていることが重要です。 光触媒の塗装技術は、薬品を使って検証が可能です。また、塗装の厚さ・薄さも大切です。均一に薄く塗装できないと、乾燥後にコーティング部分が亀裂を起こしてしまいます。これは、溶媒の品質や混合の良し悪しも関係します。こうしたことがセールスポイントに出せるかどうかもポイントでしょう。
司会 最後にひと言ずつお願いします。
鶴田 アメリカ人の病院選びの基準は、どこの病院で子どもを産みたいかだと言われています。それは、病院内の衛生管理がきちんとされているかどうかを判断基準にしています。その評価が、口コミで広がるそうです。医療技術が良くても、衛生管理がきちんとされていない病院には来てもらえないということです。日本もいずれそうなるのではないでしょうか。 病院は、健常者の方もお見舞いに来られますし、いろんな方が出入りをします。そんなことを考えると、安心して出入りのできる院内の環境作りが必要になると思います。 本日「光触媒」の話を聞いて今後の院内環境作りの材料の一つとして期待したいと思いました。
小野 院内感染対策は、どの病院にとっても重要項目です。清掃や手洗いなどの人的努力だけではなく、感染対策につながる環境も整えば、現場スタッフにとってはありがたいことです。どこへどのように使うと効果的か、光触媒の専門家から分かりやすく有用性を提示していただき、院内感染対策における「エビデンス」が明らかになると素晴らしいと感じました。
内藤 医療機関においては、単なる汚れ防止のためだけでなく、感染症対策という視点から重要な意味を持ちます。衛生状態の向上により、今後更なる感染症の新興・再興が懸念されており、衛生状態の向上と対策を行っていく上で光触媒技術は日本発の技術として期待されています。
司会 感染対策等で期待される光触媒ですが、「コスト」や「エビデンス」の問題等、課題もありますね。企業努力により、「安く」「安心」して使える「光触媒」が提供されることを期待しています。


ドクターズプラザvol.62

上記は、日本医学交流協会医療団の発行する医療界誌「ドクターズプラザ」(vol.62)の取材記事です。
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